クラウド接続されたドライバー安全システム（DSS）は、管理者がドライバーの行動と車両効率を理解し、ドライバーの安全性、健康、生産性を向上するための経営判断を支援します。
氷山の一角
脅威や非効率性について警告することで、行動や環境の変化を検知し、ドライバーの安全性を直接向上させるという重点的問題の解決は、クラウド接続がもたらす利点を含むDSSソリューションの氷山の一角に過ぎません。ドライバーが遭遇する刻一刻と変わる状況は、今やデジタル化され、データとしてクラウドに共有されるようになり、職場におけるパフォーマンスを大局的に分析することができるようになっています。より広範なデータ主導の全体像をシンプルなダッシュボードに表示することで、個々のドライバーのパフォーマンスや車両の使用状況に関する経営判断を可能にし、職場における方針や手順をより効果的に決定することができるようになります。
確かに管理者は、事故後や車両故障の事例証拠およびコストを認識していますが、日常のパフォーマンスのデータに基づいた「全体像」は、重大なスタッフの失敗や機器の不具合を予測し、それらを予防することに役立ちます。
クラウドへの接続
外向きカメラによる人体感知と物体検知を含むDSSソリューションは、周囲の状況を見定め、AIソフトウェアの機能と計算ハードウェアの処理能力を利用して、それらの経験を識別可能なデータポイントに変換します。
例えば、フォークリフトの後方3メートルの地点で人体感知カメラとAIシステムにより人が検知されると、データポイントとして表示システムに送られ、ドライバーに音声または視覚的に合図します。これにより、ドライバーは衝突を避けるために、車両の減速や停止などの是正措置を取るか否かを情報に基づき判断することができます。
そして、クラウドに接続されたDSSは、ネットワーク接続を介して同じデータポイントをクラウドに共有します。例えば、VIA Mobile360フォークリフト安全システムは、Wi-Fi、Bluetooth、ならびにモバイルネットワーク用のアンテナコネクタを備えたSIMカードスロットに対応しています。
VIA Mobile360フォークリフト安全システムの場合、クラウドはAWSがホストするVIA Mobile360 WorkX Connect Cloudソフトウェアソリューションです。このソリューションは、フォークリフトによって収集された豊富なデータを提示し、それらを解明するためのダッシュボードおよびビューポートです。
車両使用状況データの価値
DSSソリューションにより収集されたデータによっては、倉庫で実際にどのくらいのフォークリフトが、どのくらいの頻度で、どのように使用されているかをより詳細に把握することで、経営陣が現在認識していない、インサイトに満ちた実用的データを提供することができます。
A社は、従業員のジョーが8時間シフトで働き、フォークリフトを運転していることを知っています。クラウド接続されたDSSを利用するB社は、ジョーが8時間シフトで働き、その間に車両Xを6.5時間運転し、32km（前進22km、後進10km）走行していることを把握しています。この間、彼は1時間に7回、進路上で人に遭遇し、1シフトあたり11回のドライバーの行動アラートを受け取り、そのうち8回はシフトの最後の1時間に集中しています。
この簡素化された例をさらに深く掘り下げると、B社は従業員がシフト中に実際にどれだけの時間を運転に費やしているかをより正確に把握することができます。ジョーのシフトは8時間ですが、その特定の車両を運転したのはわずか6.5時間です。ジョーは最も生産性の高いオペレーターの1人と言えるでしょうか？彼は、自身が雇用された理由である、訓練を受けたコアスキルとは関係のない作業を1シフトあたり1.5時間行い、時間を浪費しているのではないでしょうか？別のスキル／パフォーマンスに基づいたスタッフの配置が必要であると言えます。
ジョーのシフトの最後の1時間における、ドライバーの行動アラートが大幅に増えたことを認識することで、シフトの短縮、指定された休憩時間の調整、または彼が行っている1.5時間のその他の作業をシフトの最後に移すべきかどうかを判断することができる可能性があります。
また、ジョーが1シフトあたりのルートにおいて、人体感知アラートを何度受信したかを把握することで、徒歩の作業者が倉庫内で作業する時間および場所に関するスケジュール変更を行い、ドライバーのより安全かつ効率的な作業を実現できる可能性があります。
各車両が何km走行し、実際に何時間稼働しているか（同時にダウンタイムも）が分かれば、車両のメンテナンス、ローテーション、スケジューリングをより効率的に計画することができます。
また、ジョーが作業中に車両Yよりも車両Xを好んで常に使用していることを発見し、機器の取り扱いの好みや能力について知ることができる可能性があります。車両Xが毎日使用されており、車両Yはあまり使用されていないのであれば、3か月ごとに両車両へのメンテナンスを実施している理由は何でしょうか？ジョーの機器に対するニーズや好みをより深く理解し、その仕事の安全性と生産性の向上に留意していることを彼に示すには、どうすればよいでしょうか？
メンテナンスと点検
この2つの取り組みは手間がかかると思われがちですが、必要な作業です。スタッフに適切なツールを適切な作業状況で提供することは、従業員の満足度、安全性、生産性の向上に大きく貢献します。これらの運用にAI支援ソリューションを適用することで、こうした業務をより簡単かつ効果的に、そしてより時間をかけずに行うことができます。これについては、次回の記事で詳しく説明します。
