「ドライブレコーダーは外の様子を記録するだけでなく、あなた自身の運転の様子も記録することが可能です。自主規制の考え方を提供し、運転者自身のケアレスミスによる事故を減らします。」大阪国際大学の交通心理学の教授である山口直範氏によるこの引用は、ドライブレコーダーが現代の車両にどれだけ必要な備品であるかの理由の核心に直結しています。パトカー、公共バス、重量物運搬者、また乗用車など、車両の種類に関わらず、このテクノロジーはドライバーのパフォーマンスそのまま記録することができるため、説明責任が必要となったシチュエーション時に、一つの証拠として提出することができます。以前は「あると便利」だったドライブレコーダーが、強く推奨されるようになり、近年ますます普及したことで、ドライブレコーダーは「自分の身を守るための必需品」へ変化していることがわかります。
過去数十年の消費者向けのドライブレコーダーの普及により、ドライブレコーダーは走行中の証拠が最も必要な時にその記録やデータを収集することができました。さらにドライブレコーダー自体の秘術は年々進歩し、商用車としても使用されるようになり、最先端のドライバー安全機能を確立するため、管理の最適化、データ収集、効率化のための新しい方法が提供されています。ドライブレコーダーはもはや単なる自動車の付属品ではなく、今やプロフェッショナルな車両へ変革できる洗練されたテクノロジーになりました。
ドライブレコーダーの起原
1980年代、アメリカ・テキサス州の警察官は、彼らの安全を確保するため、車内に三脚付きのVHSカメラを設置し活動を記録し始めました。1990年代になると、三脚がテーブルに変わり、市民もそれを真似するようになりました。初期の歴史を通して、ドライブレコーダーは様々な形で、変革的な影響を与えるためのに、また主観性が染み込んだ領域に客観的な真実をもたらすことに力を注いたことがわかります。これにより、法執行機関の絶対的なゲームチェンジャー(革新的な存在) としてのステータスが付与され、交通関連の事件に関与するすべての人がその貴重な証拠に直接アクセスできるようになりました。この影響は絶えず拡大しています。イギリスだけでも、2019年に24の警察署で合計32,370枚の映像を受け取りました。これは2018年に記録された数(15,159枚)の2倍以上です。
しかし、ドライブレコーダーはアメリカが起原なのにもかかわらず、この技術を普及させたのは、なんと先駆的なロシア人でした。内務省が2009年に市民に車載カメラの設置を許可する新しい法律を発行した後、2013年には、100万人を超えるロシア人ドライバーが車に少なくとも1台のドライブレコーダーを設置したことが報告されました。この新しい法律は、過失がない場合でもドライバーに多額の支払いを強いる保険金詐欺事件の増加により導入されました。ドライバーがこれらの誤った主張から身を守ることを可能にするドライブレコーダーの働きにより、愛好家の数も年々増加し続けています。一方、さまざまなドライブレコーダーで録画されたビデオが、インターネットで公開されると（特にドライブレコーダーでキャプチャされた2013年の流星爆発の後）世界中で販売が急増しました。
世界でのダッシュカムの使用事例
2020年8月に、ドライブレコーダーが世界中で注目を集めた様々な方法に関するブログをリリースしました。この題についてさらに詳しく調べることができます。ぜひご覧ください。多くのユースケースは、単に大陸ごとではなく、国ごとに著しく異なります。たとえば、ヨーロッパでは、ドライブレコーダーの使用事例に大きな違いがあります。先に触れたように、ロシア全土に広範囲な所有権があり、「ダッシュカム革命の震源地」と呼ぶ人もいます。
イギリスでは、運転手に毎年推定3億4,000万ポンド（約443億3500万円以上）の費用をかけ、すべての人の保険料を引き上げる「crash for cash（現金のためのクラッシュ）」保険金詐欺の請求を防ぐのに、ドライブレコーダーは不可欠です。明確なダッシュカムの映像は、この問題を打破する手の一つとなります。2013年から2017年にかけて、このようなデバイスの所有率は1%から15%に増加しました。イタリア、オランダ、スカンジナビア諸国などの他の国々でも、広く採用されています。ただし、これは、厳格なプライバシー法によりドライブレコーダーの使用を禁止しているオーストラリアやポルトガルなどの国とは対照的です。この規則に違反した場合は10,000ユーロ(約130万円)の罰金が科せられ、違反が続いた場合は25,000ユーロ(約325万円)の罰金が科せられます。
当然のことながら、アジアのマーケットでは非常に成長する可能性があります。人口が増加し、道路を走行する人がこれまでになく増えているため(中国は世界最大の自動車市場として米国を上回ったばかりです)、オセアニア大陸と共に、アジア大陸がこれから3年間の推定成長率が最も高いのは疑いもない事実です。
米国市場もまだまだ高い成長の可能性があります。ただし、さまざまな州法がその採用率を妨げます。例えば、カルフォルニア州とコロラド州ではドライブレコーダーをフロントガラスに取り付けることが許可されていますが、テキサス州やニューヨーク州などの州では、視界を妨げるものをフロントガラスに取り付けることは禁じられています。
ドライブレコーダーの未来
それでは、ドライブレコーダーの未来はどうなるのでしょうか。保険会社が提供するインセンティブのおかげもあり、消費者の採用は増え続けることも予想されますが、最も劇的な変化は商業部門にあります。AIを利用した車両とドライバーの安全機能を、4Ｇ接続とシームレスなクラウド統合と組み合わせることで、「プロ」ドライブレコーダーはあらゆるタイプの車両のオペレーターにとって真のゲームチェンジャー(革新的な存在)となるように設定されています。
このシフトでは、クラウド接続が重要な役割を果たしています。プロドライブレコーダーはセンサー、GPSチップ、CANバスを介してデバイスによって収集された豊富なテレマティクスデータセットのリアルタイムの監視と分析を可能にすることで、オペレーターに車両とドライバーのパフォーマンスに関する貴重な洞察を提供し、車両群オペレーションを最適化するための新しい手段を提供します。
企業はキャプチャされたデータと車両接続を利用して、メンテナンスをより簡易にできます。車両管理ポータルを介して、走行履歴、熱量消費量、ドライバースコア、発動されたアラートなどのデータセットにアクセスし、さらに分析することができます。この種の機能は、車両全体、特定の車両、または個々のドライバーの詳細データを診断し、企業のどの領域が繫栄している可能性があり、どの領域を改善する必要があるかを示します。ライブストーミングカメラフィードと安全なクラウドデータストレージは、クラウドに付属するその他の利点の一つです。
プロダッシュカムの重要な要素はAIの統合です。高度なアルゴリズムとフルHDカメラを組み合わせることで、これらのデバイスは、車線逸脱(LDW)や差し迫った前方衝突(FCW)などの危険な運転行動を検出できます。これらの危険が検出されると、デバイスは実用的な警告を発し、ドライバーがコースを修正できるようにして、車両の安全性を大幅に向上させます。
AIのもう一つの革新的なユティリティは、「ドライバーの指導」です。キャビンに面したカメラを使用すると、プロドライブレコーダーは、疲労した運転手やわき見運転などの危険なドライバーの行動を識別してオペレーターに警告します。実用的なアラートは、この危険な行動を即座に修正するように運転手に思い出させる働きをし、より安全な運転習慣を根付かせるのに役立ちます。
多数の高度なテクノロジーを単一の総合的なデバイスに統合するプロドライブレコーダーは、前世紀のテレマティクスデバイスでは不可能だった豊富なデータ洞察を通じて、運用の安全性と効率を変革するための強力な新しいツールセットを車両群管理者に提供します。商用ユーザーの間で注目を集めるにつれて、プロダッシュカムは、安全性を向上させ、自家用車の運営コストを削減するためのスマートな方法を探している消費者に必ずヒットするでしょう。
